親と絶縁・疎遠にしている人の話などを聞きつけると
「親だって完璧じゃないのだから、許してあげなよ」
と主張する人が出てきます。
「反省した。変わるから、戻ってきて!」というアピールし始める親もいます。
親との関係に苦しみ、親と絶縁・疎遠にしてはみたけれど、「本当は許すべきではないのか」と悩んで苦しんでいる人は少なくありません。
結論から言えば、親もまた、癒されていいし許されていい。
ただし、親からいじめられた張本人である、子が許す必要はない。
たしかに人は完璧ではない。
けれどそれは、子を虐め抜いていい理由にはなりません。
健全な家庭に育った人は、機能不全家庭でどれだけ過酷な暴力がはびこっているかを知りません。
何も知らない他人や、自分を虐めた当事者である親のいうことを聞く必要はありません。
そして健全な家庭に育った人は、多くが疑問も持たずに結婚出産を経た、あるいは経ようとしている、「親側の立場に立つ人間」です。
家庭内で、支配力を持っている側の人間。
「子は、親を否定・拒絶することがあるし、あっていい」という、親である自分の立場が悪くなるような考え方を否定したくなる人が多いのは自然なことです。
街中で人が刺されたとき、「加害者だって完璧じゃないせいで犯行に及んだんだから、被害者は加害者を許してあげなよ」等というという話にはなりません。
虐待した親は、許されたければ、子供に電話やLINEの猛攻撃をかけるのではなく、虐待した親達の互助会の類に入るか、カウンセラーにかかるべきなのです。
親を許すとしても、実家に舞い戻って、幼児のように感情をまき散らす親をなだめることに奔走する生活に戻る必要はない。
遠くに住み連絡は絶ったままで、ただ幸せを祈るだけでいいのです。