だるかったり憂鬱だったりして病院を受診し、うつ病などと診断された方。
その診断にあたって、血液検査はされましたか?
問診のみで血液検査はなかった場合、血液検査をしても甲状腺機能の項目(「FT4」「TSH」などの項目です。)がない場合。
ぜひ内科(内分泌科)のクリニックを受診し「甲状腺機能を調べてほしい」と伝えてみてください。
もしあなたが40-50代の女性なら、女性ホルモンの数値も調べてもらってください。これも血液検査で分かります。
うつ病と甲状腺機能低下症では、ほぼ同じ症状が出ます。
以下は甲状腺機能低下症の症状です(引用元:日本内分泌学会)
無気力、疲労感、むくみ、寒がり、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘
私の血液検査をしてくれた医師も「問診だけで見分けることは出来ない」と言っていました。
更年期で女性ホルモンのバランスが乱れた時にも、一部の人にはうつ病と同じ症状があらわれます。
貧血やかくれ貧血でも、似た症状はあらわれてきます。(引用元:ふくおかクリニック)
・あざ(内出血)が出やすくなる、コラーゲン不足によって骨・肌・爪・髪に異常が起きる
・動悸や息切れ、イライラ(情緒不安定)、倦怠感、疲れやすくなる
・不眠症やうつ、パニック障害などの精神・神経症状
・抵抗力、免疫力の低下(白血球量の異常)
・食欲不振、便秘・下痢、氷食症(氷を無性に食べたくなる異食症の一つ)
・頭痛や耳鳴り、肩こり、寝坊が増える、むずむず脚症候群、集中力低下など
本当は、脳の検査やがん検診も行った方がいいのです。抑うつ状態というのは、様々な病気の結果としても起こってくるからです。
この中でも、血液検査で分かるこれらの項目は、真っ先に検査していい項目だと思います。
本来はうつ病は、抑うつ状態などの精神症状が出揃った上で「一般身体疾患や物質依存(薬物またはアルコールなど)では説明できない」時に診断されるはずの病気なのですが、日本の縦割り医療の悪い所で、血液検査なしに「うつ病」と診断する医師も、かなり多いです。
実際には「甲状腺機能低下症」で、ホルモン剤の治療を受ければ回復できるのに、「うつ病」と誤診されて抗うつ薬を処方され、効かないばかりか副作用でも苦しんでいる患者さんが、かなりいるのではないかと予想しています。
病気が違えば当然必要な治療も違ってきますので、是非一度、検査してみてください。