病人の中には、座っていることも難しい体調が延々続く人達がいます。私もその一人です。
インフルエンザなど、短期的な病気の時はとにかく寝て体調と体力を回復させるのがいいのでしょうが、何か月何年と横になっていると、出来ることが物凄く限られるし、筋力や心肺機能の低下が加速したりとよくない事も多いようです。
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まずはリクライニングベッドを試してみよう
そんな私は、長らくリクライニングベッドを使ってきました。
パイプベッドにリクライニング機能がついただけ、といった簡易なものなら、1万円程度から売られています。
短期的な病気で、ほんの数週間~数か月臥せりがちな生活をします、という方なら、これで十分だと思います。
介護用ベッドも検討してみる
私は、介護用ベッドを使っています。
普通のリクライニングベッドから買い替えたきっかけは、リクライニングベッドの上で過ごす時間が長くなり過ぎて・・・背中を痛めてしまったからです。巷のリクライニングベッドは、健康な人がちょっとリラックスタイムに使う程度のことを想定しているので、身体への負担までは考えられていません。病人が、無理な姿勢を毎日のように長時間取り続けていたら、傷めるのも不思議がないのです。
介護用ベッドは高性能な分、お値段が高いので悩みはしましたが・・・。流石、寝たきりの高齢者を想定して作られたベッド。どの角度にしても、背骨が変な風に曲がるとか、身体のどこかに集中的に体重がかかるとかいうことがないので、長時間使っていても、非常に快適です。
居室が病棟みたいな雰囲気になる事に抵抗感がある人はいると思いますが、木製ボードタイプを選び、オプションの金属製の柵も付けなければ(そもそも要りませんよね)、十分に普通のベッドに見え、部屋で悪目立ちすることもありません。
健康人の中でも需要があるのか、最近では、介護ベッドの機能がついた普通のベッドも売られているようです。
お高い買い物でしたが、ベッド上で、首を枕で不自然に曲げたりしなくてもテレビが観られるようになり、本を読んだり、ものを書いたり、ノートパソコンを使うことも出来るようになりました。ベッドの上で出来ることが広がる、というのはネタキリ状態が長い人間にとっては、とても嬉しいことです。
介護用ベッドの注意点
いくつか、介護用ベッド導入時の注意点を挙げておきます。
設置場所の制限
介護用ベッドは、非常に重いです。鉄筋コンクリート造ならまず問題はないと思いますが、古い木造家屋などでは特に、設置できるかを購入業者とよくよく相談してみてください。
サイズが介護仕様
介護用ベッドは、介護しやすいようにと幅がシングルより狭く作られています。パラマウント社のものでは、91センチタイプと83センチタイプがあります。ただ、91センチのタイプを選べば普通のシングルベッドと大差はないですし、私はシーツ類も普通のシングルベッド用の物を使っていますが、特に困っていません。
ベッドの下にモノを置けない
介護用ベッドは重い重量を支えるためか足の部分がとても大きく、また機種によると思いますが、リクライニングする際にベッドの下にモノが置いてあったりすると、押しつぶされることがあります。
ベッド下収納など活用している方は、購入前にチェックしてみてください。
ベッドの配置を変えるのは難しい
介護用ベッドは、非常に重いです。男性が二人いれば、多少の移動は可能でしょうが、気軽にあっちこっち動かせるものではありません。置く場所は慎重に決めましょう。
引っ越しの時は、別発送で別料金
引っ越し時、介護用ベッドは分解して運ぶ必要があります。一般的なベッドだと引っ越し業者さんが必要な分解をして運んでくれるのですが、介護用ベッドは配線が複雑なので、介護用ベッドを扱う事業者に依頼する必要が出てきます。
介護用ベッドの事業者は分解と組み立てだけを行い、運搬は引っ越し業者が行うケースと、介護用ベッドの事業者が分解・運搬・組み立てのすべての工程を行うケースがあるようですが、いずれにしても、通常の引っ越しとは別に数万の費用がかかります。
処分も、大変なはず
まだ処分したことはないのですが、粗大ゴミに出せる大きさ・重さではないので、処分時にも専用の業者さんに頼む必要があるのだと思います。
病人にも、補助があるといいなと思う
こういった介護用ベッドは、介護保険の適用があると非常に安価に、かつ必要な時期だけレンタル出来ます。
また、身体障碍者で「介護用ベッドが必要」と認められれば、補助が下りるようです。
ネタキリでいる時間が長いだけで、リクライニングが無くてもベッドから起き上がる能力自体はある病人の場合は、補助の対象外です。
立って歩く事が出来ても、ほとんどの時間をネタキリで過ごさざるを得ない病人も多いのですから、対象になってくれたらいいんですけれどね・・・。